第4回「北九州国際漫画大賞」表彰式レポート

2019年11月30日(土)に福岡県北九州市の西日本総合展示場 新館で第4回「北九州国際漫画大賞」表彰式が行われました。その様子をお届けします。

第4回 北九州国際漫画大賞

2016年に北九州市で始まった4コマ漫画の国際コンテストです。第4回目の開催となった今回は、一般部門と12歳以下の応募を対象としたジュニア部門を合わせて、世界24の国・地域から1,140作品の応募がありました。

北橋市長の挨拶

北九州国際漫画大賞への思い

北九州市の北橋市長より挨拶があり、北九州国際漫画大賞についての紹介がありました。「漫画の持っている魅力・ポテンシャルを、ここ北九州市から内外へ発信したいという思いでスタートしました。審査委員の皆さまからは作品全体のレベルが年々高くなっているという評価を頂いております。特に12歳以下のジュニアの部におかれまして、発想力・表現力が豊かな作品が多く寄せられており、将来の漫画文化を担うアーティストがこれから生まれて来るものと大変期待をしております。」

北橋市長

東アジア文化都市に北九州市が選定

北橋市長は北九州市が文化庁から2020年の「東アジア文化都市」に選定され、中国の揚州市、韓国の順天(スンチョン)市と東アジアの文化芸術の交流を約1年間行うことについて言及しました。

東アジア文化都市とは

日中韓の各国から毎年1都市ずつ選定され、それらの都市で様々な文化芸術のイベントを実施し、東アジア域内の友好を深め、域外への東アジアの文化を発信強化することを図るものです。また、事業実施を契機として継続的に発展することも目的としていることから、2020年はKPFのさらなる飛躍の年ともなりそうです。

2020年3月に開幕

「東アジア文化都市2020北九州」について、2020年3月28日(土)に北九州芸術劇場で開幕式が行われます。北九州市が東アジア文化都市として活動する上で、今回のKPF2019はプレ事業として、次回のKPF2020は秋のコア事業として大きな役目を持っています。

東アジア文化都市2020北九州の開催事業一覧はこちら

漫画は世界の共通言語

最後に北橋市長から漫画やアニメへ助力の言葉がありました。「漫画は世界の共通言語であり、素晴らしいアートであると思います。これからも漫画をはじめとするアニメ、そうしたアートをたくさん発信していくために、皆さまと一緒に汗をかいてまいりたいと思います。どうぞ、引き続き宜しくお願いします。」

受賞作品の紹介と表彰

一般部門

大賞『カキ』京都府 / ソウダミク 氏

起承転結でなく起・承・承ときて、4コマ目で一気にオチという、構成の上手さが大賞の受賞へと実を結びました。北橋市長から表彰状を、漫画家・うえやまとち先生から目録が授与されました。

海外部門賞『平和のメッセージ』韓国 / キムピョンヒョン 氏

平和への願いが口からこぼれ、飛び立っていくという高いメッセージ性が受賞の要因となりました。北橋市長から表彰状を、漫画家・萩岩睦美先生から目録が授与されました。

漫画ミュージアム賞『希望の光』宮城県 / モノモース 氏

希望の光で始まり絶望の光で終わるという完成度の高さ、構図の巧みさも際立ったことから受賞しました。北橋市長から表彰状を、株式会社講談社モーニング編集部・田渕 浩司さんから目録が授与されました。

asianbeat FUKUOKA, JAPAN賞『横断歩道』タイ / Triple Cat 氏

シマウマが縞模様の服を脱ぎ道路に敷く発想や、4コマ目の悠然と歩く姿と道路に残されたファスナーの対比がシュールで面白いこと、絵柄も優しく可愛いことで選定されました。

TOKIWA創賞『言葉の意味』福岡県 / 早川マイケル 氏

顔を出さず、少ない言葉で時の流れを表現し、そして最後は心に残る作品と評価を受けました。北橋市長から表彰状を、株式会社COLT代表取締役・大野 光司さんから目録が授与されました。

審査委員長 特別賞『モノレールにも乗れる』福岡県 / 小城乃はな 氏

3姉妹の楽しい気持ちがモノレールに掛けて上手く融合していること、画力や技量も高いことが受賞へと繋がりました。

ジュニア部門

種をテーマとした4コマ漫画作品となります。

ジュニア賞

• 『無限スイカ』徳島県 / 中塚 煌牙 氏
• 『涙の種』京都府 / ケイト 氏
• 『鼻？』福岡県 / るんるん 氏
• 『ふえるたね』福岡県 / みー 氏
• 『何のたね？１』福岡県 / さな 氏
• 『たねのひっこし』東京都 / じゅんじゅん 氏
• 『成長』中国 / 徐菁阳 (シュィージンヤン) 氏

講評

審査員を代表して、株式会社講談社モーニング編集部・田渕 浩司さんより講評の言葉がありました。田渕さんは第1回でも審査員を担当されました。当時、「漫画は一発のアイデアで当てようと思ってはダメで、日々の積み重ねと継続が大事である。」と自身が述べたことを振り返りました。(第1回の様子はこちらから) そして、今次第4回は第1回に比べて選考に時間を2倍要したこと、質・量ともに高く粒揃いの作品が集まっていたと評価しました。結びに「第5回以降、回を重ねていくうちに、もっとレベルが上がっていくことを期待・確信しています。北九州国際漫画大賞の今後にも期待しています。」とエールを贈りました。最後はプレゼンターと受賞者が一緒に並んで記念撮影を行いました。
受賞作品は、あるあるCity5階の北九州市漫画ミュージアムで開催している「北九州国際漫画祭2019」で展示されています。ぜひとも、ご覧ください。

北九州国際漫画祭2019の詳細はこちら

イベント概要