2017年6月3日(土)より7月17日(月祝)まで福岡県の北九州市漫画ミュージアムで『魔法使いの嫁 原画展 in 北九州』が開催されます。その様子をお届けします。
魔法使いの嫁 とは
ヤマザキコレ原作、単行本の累計部数が400万部を超えた月刊コミックガーデン連載漫画。人外(人ではない者)×少女の正道ファンタジーです。身寄りがなく他人に見えないモノが見えてしまう15歳の少女・主人公「羽鳥チセ」と、チセと闇のオークションで出会った人外の魔法使い「エリアス」の、心の交流が描かれています。
魔法使いの嫁 原画展 in 北九州
TVアニメ化を記念して貴重な原作コミック原稿やイラスト原画を見ることのできる原画展。チセがエリアスとの運命的な出会いを経て知った未知なる世界と、その世界の美しさを“本物”の原画を通して振り返ります。エリアス邸や魔術師たち、冒険に魔法などそれぞれのテーマに沿った空間に約100点の原画が展示される、ファン必見の原画展がいよいよ北九州市漫画ミュージアムに登場!ステンドグラス風しおり、ポストカードなどの物販も行われるほか、6月3日(土)には北九州市漫画ミュージアム専門研究員によるギャラリートークが開催されました。
物語のポイントをゾーンに分けて紹介
Prologue 〜プロローグ〜
原画展の順路、最初の通路は黒を基調とした空間でエリアスとチセが初めて出会う薄暗いオークション会場をイメージしています。3枚のカーテンで表現していたのは、チセが目を瞑るとエリアスが魔法を唱えるシーン。チセが目を開けるとそこには、一軒の家を取り囲むイングランドの田舎風景が広がります。右側に肉筆の線画で描かれた大きな原画、左下には実際に漫画として読まれる際の完成データが小さく比較として見ることができます。
Home 〜エリアス邸〜
明るく穏やかな時間が流れるエリアスの自宅内の様子。コミックス表紙となった美しいカラーイラストはじっくりと見とれてしまいます。肉筆のペンで書いた線画と、それをパソコンで出力して仕上げたカラー原画が展示されていました。また、「エリアスの古文書」という装置が机上にあり、ラフ→原画→原稿→入稿データと、「魔法使いの嫁」が描かれる過程を見て楽しむことができます。
Neighbors 〜隣人たち〜
魔法ファンタジーであるこの作品では、魔法は魔力と呼ばれる自然界に存在する自然の力と解釈されています。そして、自然の力と共に生きている妖精たちがいます。魔法は妖精たちの力を借りながら自然界に存在する魔力を使用していることになります。竜も自然界に存在しているものであり、老いた後で木になって魔法を使うための杖となります。森の妖精や妖精たちの王、そしていつもチセの味方で助けてくれるアンジェリカなど不思議な隣人たちとの出会いを通して、チセは様々な世界の表情を知っていきます。初めてチセとアンジェリカが会う場面、コミック内ではアンジェリカはゴーグルを付けているのですが、肉筆の原画段階ではゴーグルは描かれておらず、PC仕上げの際に描かれていました。
Sorcerers 〜魔術師たち〜
作中で魔法は自然の力として扱われ、魔術は人工的に魔法を再現するもの、つまり科学に近いものとして別に扱われています。そのため、魔術を悪用しようと暴走する人も出てくることもあり、魔法と魔術が対立の立場に位置します。魔法とは似て非なる魔術。チセを取り巻く魔術師たちの思惑とは…。
Against 〜魔法の世界に生きる者たちの戦い〜
「裂き喰らう城」とはエリアスの異名。物語の中で彼についてまだ秘密が多く、現時点(単行本7巻)では明かされていません。守るもののため、立ち向かい抗うエリアスの本来の姿を垣間見ることができます。ほかにも、敵か味方なのか魔術師のレンフレッドやアリス、正体不明のカルタフィルスが登場します。
Wonder 〜魔法の奇跡〜
チセは自然界に存在する魔力を溜め込み使用することができます。「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」の壮大な魔力、チセが引き起こす魔法をご覧ください。木々など自然の描写も美しいです。ヤマザキコレ先生が試し書きをしたような跡も見ることができ、太い線や細い線と、様々な描線を使い分ける際の筆圧を感じることができます。
The Ancient Magus’ Bride 〜魔法使いの嫁〜
チセとエリアスはそれぞれの背負ったものがある中、一緒に暮らすことでお互いを信じていきます。二人の心の距離が次第に近づく瞬間を紹介しています。
アニメーション「魔法使いの嫁」紹介コーナー
ヤマザキコレ先生は創作同人誌即売会で「魔法使いの嫁」を出展していたところ声が掛かったそうです。完璧な原稿では無かったそうですが、作り手側が100点と思っていなくても、読む側としては力量が十分に伝わる内容であったのかと考えられます。世に出してみないとわからないこともあるのかもしれません。ヤマザキコレ先生のような方がまた輩出されるといいですね。こちらの同人誌版「魔法使いの嫁」(限定復刻)は、TVアニメ「魔法使いの嫁」Blu-ray 第1巻をアニメイト・松竹DVD倶楽部・I.Gストアにて早期予約された方が対象の特典となります。大変、興味深いです。
AnimeJapan2017で初公開になった等身大「エリアス」。
特設ショップには「ステンドグラス風しおり」やポストカード、クリアファイルなど原画展開催記念商品が並びます。
イベント概要
名称 | 魔法使いの嫁 原画展 in 北九州 |
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会期 | 2017年6月3日(土)~2017年7月17日(月・祝)11:00~19:00 ※入館は18:30まで ※休館日は毎週火曜日 |
場所 | 北九州市漫画ミュージアム 企画展示室 福岡県北九州市小倉北区浅野2-14-5 あるあるCity5階 (MAP) JR小倉駅新幹線口より徒歩2分 |
内容 | 原画展 |
URL | |
主催 | 北九州市漫画ミュージアム |
特別協力 | マッグガーデン、プロダクション・アイジー、 ムービック・プロモートサービス |
料金 | 一般 500円、中高生 300円、小学生以下無料 ※常設展とのセット券 一般 700円、中高生 400円 |
問合せ | 北九州市漫画ミュージアム TEL 093-512-5077 FAX 093-512-5130 代表メールアドレス manga@city.kitakyushu.lg.jp |